印刷工房の見積書を入れた3組の紙製スリーブ
印刷工房の見積書を入れた3組の紙製スリーブ
この記事の内容
  1. 案件と見積もりの版を分ける
  2. 送付済みと採用版を別項目にする
  3. 版ごとの差分を短くまとめる
  4. 承諾時に有効期限と条件を照合する
  5. 古い版を送ったときの訂正を残す
  6. 受注前に三つの版を確認する
  7. QT-208:新しい版が採用版とは限らない
  8. 道具と費用を増やす前に確認する

案件と見積もりの版を分ける

一つの案件に対して見積もりが3回変わるなら、案件は1件、版は3件として管理します。最新版のPDFで上書きすると、どの金額と納期を提示したか追えなくなります。案件ID、版番号、作成日時、税や送料の扱い、納期、条件の有効期限を各版へ残します。版番号はファイル名だけでなく台帳にも置きます。

送付済みと採用版を別項目にする

架空案件QT-208では、v1が通常納期、v2が追加仕様、v3が納期変更とします。v3を作成しても未送付なら顧客は内容を知りません。「最新版」「最終送付版」「採用版」を別項目にし、採用版には承諾を確認した日時とメールなどの参照先を付けます。口頭の承諾だけなら、担当者が内容をまとめて確認する作業を残します。

記録する項目と確認の具体例
記録する項目と確認の具体例
項目記録例確認すること
案件QT-208見積もりを束ねる
版v3・未送付作成と送付を区別
採用版v2顧客の参照と一致
証跡承諾日時+メール条件と紐付ける

版ごとの差分を短くまとめる

変更点は「金額変更」だけでなく、数量、対象範囲、納期、支払条件のどれが変わったかを書きます。金額が同じでも対象範囲が減っていることがあります。前の版との比較欄に変更理由と承認者を置き、作成者以外が読んでも分かる文章にします。Airtableの関連レコードを使う場合は、案件から各版へたどれる形にできます。

承諾済みの封筒と以前の見積もり原稿
承諾済みの封筒と以前の見積もり原稿

承諾時に有効期限と条件を照合する

承諾の連絡を受けたら、案件ID、指定された版、数量、有効期限、追加条件を照合します。「前回の内容でお願いします」のように版が曖昧な場合は保留にします。有効期限を過ぎた見積もりや一部だけの承諾は、同じ金額でも確認が必要です。採用版を確定してから、受注台帳へ対象の条件だけを転記します。

承諾された条件を確定する
承諾された条件を確定する承諾の連絡を確認 → 版と条件を特定できるか; 版と条件を特定できるか → 顧客へ条件を再確認 (未確認); 版と条件を特定できるか → 採用版と証跡を確定 (確認済み); 採用版と証跡を確定 → 受注へ採用条件を渡す未確認確認済み承諾の連絡を確認版と条件を特定できるか顧客へ条件を再確認採用版と証跡を確定受注へ採用条件を渡す承諾された条件を確定する承諾の連絡を確認 → 版と条件を特定できるか; 版と条件を特定できるか → 顧客へ条件を再確認 (未確認); 版と条件を特定できるか → 採用版と証跡を確定 (確認済み); 採用版と証跡を確定 → 受注へ採用条件を渡す未確認確認済み承諾の連絡を確認版と条件を特定できるか顧客へ条件を再確認採用版と証跡を確定受注へ採用条件を渡す

古い版を送ったときの訂正を残す

誤送付が分かった場合は送付履歴を削除せず、誤送付、訂正版、相手への説明、再確認の状態を残します。正しいPDFへ差し替えるだけでは、顧客の手元にある古い版が消えません。どの条件が訂正されたか説明し、顧客が確認したかを追います。受注が始まっている場合は制作や発送の担当にも採用版の変更を伝えます。

採用した紙見本と版の異なる見積書を収めた封筒
採用した紙見本と版の異なる見積書を収めた封筒

受注前に三つの版を確認する

運用を始める前の確認例として、未送付の最新版、承諾された旧版、期限切れの版を用意します。案件の表示が常に最新版へ切り替わる設計では、承諾済み条件を失います。最後に作った版、最後に送った版、顧客が承諾した版を一覧で並べ、受注担当が採用版を一つ選べるか確認します。変更後の再承諾も別の記録として残します。

QT-208:新しい版が採用版とは限らない

確認用のQT-208では、v2を月曜に送り、火曜に顧客がv2へ承諾し、水曜に担当者が社内検討用のv3を作ったとします。案件の採用条件はv2のままです。v3を作った日付が新しいだけで受注条件を更新してはいけません。制作担当へ渡す画面には採用版v2と承諾の参照先を出し、v3は未採用の案として区別します。その後に顧客がv3を承諾した場合は、いつから変更を適用するかも確認します。すでに制作済みの範囲を変更するなら、その影響を別の変更依頼へ残します。三つの版のPDFを保存することより、誰でも有効な条件を一つ選べることが運用の目的です。

採用版のファイルを別の場所へコピーする場合は、そのコピーも同じ版と分かる名前にします。保存先の整理のために古い版を移動したときは、履歴のリンクが切れていないかを確認します。PDFの名称だけでなく本文の対象範囲や数量を読み合わせる確認も必要です。見積書の作成者が休みでも、受注担当が承諾の記録へ進めるようにします。社内の閲覧者に必要なのは、すべての検討過程よりまず採用された条件です。承諾の証跡と採用版を同じ画面から開ける構成にすると、制作開始前の確認が短くなります。

道具と費用を増やす前に確認する

少数の案件なら、案件フォルダと版台帳で十分に始められます。PDFの数だけで道具を増やさず、承諾版の取り違え、複数担当者、再承諾の頻度を基準にします。保存容量と編集者数に加え、顧客へ送る文面の確認時間も予算に入れます。承諾の判定をAIへ任せる場合も、人が採用版を確定する工程を残します。

作業に使える資料と関連ガイド

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